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東野圭吾【トキオ】
何だか不思議な話だけど、良い話だ・・・

4062113279トキオ
東野 圭吾
講談社 2002-07

by G-Tools


◆内容◆
主人公は息子が今死んでいこうとする所に立ち会っていた。そして思い出すのはまだ妻とも出会っていなかったあの時代。
荒れて、すさんでいた自分。そこに現れてた不思議な少年。
そして、彼は妻にあの頃の出来事を語りだす・・・。彼と少年との不思議な物語を。

◆感想◆
まずは、主人公の青年時代があまりにも酷くて、悲しいを通り越して恥ずかしくなってくる。とにかく、馬鹿みたいに威勢だけ張って、内容が伴わない。それがどこかで解っているのだろうが、認めたくなくて更に虚勢だけ張りまくる。
「おい!その隣に居るトキオ君は・・・・。そんな姿を見せるのかい?」と、読者の癖に主人公に注意してしまいたくなる。読んでいて居た堪れない気がしてくるのだ、主人公の青年が情けなさ過ぎて。

だけど、後半。彼にも自分の愚かさが傍にいる少年の視線・態度で段々悟ってくるのか、少しずつ成長し、威勢にも勢いがなくなってくる。そして少し安心する。

この物語の一つの見せ所は、この主人公の成長という部分だろう。その他にも【死】【希望】【未来】ということも盛り込まれているかもしれないが、私には【成長】というところが一番心に響いた。
そして、主人公のセリフ
『あんたのせいじゃないよ。俺の人生だから、俺が落とし前つけなきゃならねぇ。もうあんたのせいにはしない』
なんのことはない、ごく当たり前のセリフ。だけど主人公にしてみれば、凄い成長の現われのセリフ。自分が上手くいかないことを、すべて自分を捨てた親の所為にしていた青年。
おそらく、そうやって「自分が悪いわけじゃない。俺を捨てた親が悪いんだ。だからこんな目にあうんだ・・・」とすべてを親の所為にしていれば、多分最も自分が楽だったのだろう。すべては親が悪い・・・そうやって現実から逃げていたのだ。

そして、青年は前途のセリフのようにその逃げから抜け出した。

さて、私は?
今現在、嫌なことを、思い通りにいかないこの人生を誰かの・何かの所為にしていないだろうか? 多分している。「こうなったのは・・・」つい思ってしまう。逃げてしまう。
弱い人間なのだ・・・。
だから、あのセリフが心に響く。

私の人生。すべては私の責任なのに・・・・。

私も頑張ろう。



風の盆恋歌
私はやはり好きではない・・・・

風の盆恋歌 (新潮文庫)
高橋 治
4101039119

この本、実は私の好みじゃない。
大体「不倫」の本は嫌いだ。では何故に読んだ?
答えは部長が私に貸してくれたからだ・・・・(ーー;)

おいおい!普通、部下の女性社員に「不倫」の本を貸すか?
「・・・・(ーー;)」本の概略を読んで無言。そして「不倫嫌いです」と返そうとしたら。
「いや、深い意味は無いよ。その背景のお祭りがとても素敵に書かれていてね。ぜひ読んでみたらと思って。旅行好きだろう?」
「・・・・・・・・」
部長が強くそういうので、昼休みに少しずつ読んでみた。

が!!不倫は不倫だ

たしかに舞台となる祭りの情景はとても素敵に描かれていて、そこに彼ら2人の忍びあい、悲しみとせつなさを伴う愛が合わさり、全体的にとても綺麗に美しく描かれている。
2人が愛を深めほど、悲しみと闇が深くなり、終わりの時に向けて、静に静にゆっくりと深い底へと落ちていくかのような重みが漂う。
そしてそこに「おわら」の調べが・・・・

が!やはり、不倫は不倫だ!
何がどうなろうと、どんなに美しかろうと、どんなに切なく・純粋だろうと。
過去に何があろうと・・・結局は不倫だ。 不倫の物語だ!


だから、読めば読むほどムカつく。


なにせ私はいまだに独身。一応結婚願望は無くはない。


つまりやっぱり 

結婚には夢だってあるじゃないか!!夢だって持っているんだ!!独身女性の結婚への憧れを壊すんじゃなーい!!


なので言おう!結婚に興味のある独身女性は 読むべきじゃない!!
特に、「こうなりゃ、見合いも考えよう・・」と思っている人はなおさらだ!


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

東野圭吾作【手紙】
いたたまらなくなる作品ですが、強くドラマ化を願う作品です。

手紙 手紙
東野 圭吾 (2003/03)
毎日新聞社

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◆内容◆
その日少年は「強盗殺人犯の弟」となった。その日から始まる「強盗殺人犯の弟」という人生。どんなに頑張っても、どんなに真面目に生きてみても、「強盗殺人犯の弟」という人生は変わらない。そして、そんな中、獄中の兄から届く手紙。毎月・毎月それは続いていき・・・。そして少年から、青年、大人に成長していった彼は最後の決断を下す

◆感想◆

なんだろう?読んでいて特別悲しい訳ではない。怒りを覚える訳でもない。強い感情を持つわけでもない。
ただ、いたたまれない感情が沸き、切なくなる話だ。

冒頭に「強盗殺人」が起こり、少年は登場と同時に「強盗殺人犯の弟」になっていた。そしてその日から変わってしまった彼の人生。
同情?は多少する。だけど・・・・

東野圭吾先生は、本当に人間の暗い感情・葛藤を淡々と綴るのが旨いと思う。すごく良くわかる。心に入ってくる。

私の周りにもしも主人公のような人が現れたらどうする?

「悪意は持たないけど、でも気を使ってしまう。できれば関わりたくない。倦厭してしまう。彼が悪いわけじゃない、判っている。だけど・・・」
作中の彼の周りの多くの人たちの行動。

小説は「強盗殺人犯の弟」となってしまった少年の目線で綴られる。だけど、私は彼の周りの人たちになった気分になる。彼の人生を少し離れて見ている様な錯覚に陥る。

そして、その人生を歩む彼の葛藤・苦しみ。

『差別はね、当然なんだよ。自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる。すべての犯罪者に思い知らせるためにも』
作中に出てくる社長の言葉。

極端だ!!犯人の家族には罪は無い!!道徳に反する!!と思う反面、しっくりとわかってしまう自分もいる。

この小説はフィクションだ。
だけど、おそらくある意味ノンフィクションでもあるだろう。

きっと彼のような人生を歩まざるを得ない人たちは沢山いるのだろう。沢山いただろう。ニュースで流れる凶悪事件の犯人達には家族がいるのだから。

「殺した自分を褒めてあげたい・・」いつだか、こんな愚かな発言をした強盗殺人犯をニュースで見た。彼にぜひこの小説を読ませたい。
そして、多くの人に知ってもらいたい。そうすれば少しは犯罪の抑止力になるのではないだろうか?

罪は自分だけでなく、自分の家族の人生にも及ぶ。そのことに気がつけば。

この作品はとても静かで、暗く、淡々として盛り上がりなど無いけれども、それでも心に静に響くものがある。
映画化されたが、できれば多くの人に考えてもらうためにも、ドラマ化してもらいたいと、読み終わり強く思った作品である。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

半分の月がのぼる空5
半分の月がのぼる空〈5〉 (電撃文庫) 半分の月がのぼる空〈5〉 (電撃文庫)
橋本 紡 (2005/09)
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【感想】

さて、やっとこさこのシリーズ最終巻。
いやー、毎日30分づつだったこともあり長かった・・・。
最後にどう思ったかというと
『やっぱり係長の方が私より純粋か・・・』
あはは・・・・、ファンの人に怒られるかな。
おじさん年代の係長は涙涙で、一押しだったみたいだけど。私はそこまでは・・
でも、儚さを影に純粋さと若さが表のこの作品は確かに穏やかな気持ちで読める小説でしょう。
読み終えた後、凄い感動は残念ながら私はなかったけど、その代わり後味の悪さも、つまらなかったなーという気持ちも無かった。

まあよかったかな、うん(^−^)
というった感想かな。

ただ、何というか。1巻で終わっても同じだったのでは?なんて思ったりもする。ちなみに続編もあったりするみたいですよ。

半分の月がのぼる空4
半分の月がのぼる空〈4〉 半分の月がのぼる空〈4〉
橋本 紡 (2005/02)
メディアワークス

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◆内容◆

幸せを手に入れて、失ってしまった大人とこれから手に入れ、そして失ってしまうだろう少年。2人の男の過去と現在。

◆感想◆

あれ?おい!主人公達はどうした?

内容の殆どが登場人物の1人、少女の主治医の過去話。まあ、今までの巻で複線が貼られていた、その総まとめである。
まあ、その男の話は想像の範囲の話だ。「だろうなー」という過去話。

その過去話に、少年の現在が交差するのだが・・・

うん、やはりコメディーか?いやー、お馬鹿だ♪でも、そのお馬鹿ぶりが良いではないか!
幸せな未来を大人に閉ざされそうな少年が、その壁を打開するために、友達の力を借りて、あまりにも無謀な行動に移るのだが・・・

いやー、友人のいつものコスプレに、少年のお馬鹿ぶりに思わず笑いが(^。^)

だけど、やっぱり泣けてしまうシーンもあったりする。最後、少女の言葉に、少年の覚悟に。
素直に打算無く、今目の前の幸せだけを掴もうとする、その真直ぐな彼らに。

楽しく、笑うけど。やはり2人の切なさを抱えた限りある幸せに涙する。